ニーズの高まりに応える技術開発と人材確保を

新年明けましておめでとうございます。
昨年は、1月末に発生した埼玉県八潮市の下水道幹線の老朽化に起因する大規模な道路陥没事故によって、大きな衝撃を受けるとともに、下水道の維持管理の基本的な在り方の見直しが求められました。何よりも事故に巻き込まれたトラックの運転手の方のご冥福をお祈りするとともに、現場の復旧工事が早期に完了することを願っています。
この事故を受け、国土交通省から口径2000ミリ以上、平成6年度以前に設置・改築された下水道管の全国特別重点調査が指示されました。調査の結果、緊急に補修工事などの対応が必要な延長が一定数報告されているところです。
八潮の現場の復旧では、鋼製セグメントと管路更生工法の組合せが選択されたようです。そのことからも全国調査で緊急に対応が必要とされた箇所では、第一選択肢として管路更生工法が選択される機会が増えてくるものと考えています。
いくつかの工法協会には、調査結果が徐々に出始めた昨年の夏以降、大都市およびその周辺で問合せなどが増えているようです。また、今回の特別重点調査は2000ミリ以上の管が対象ですが、今後、全国の下水道管理者は、その他の管路についても順次、継続して調査を実施するものと推察され、対応が必要な延長もそれに応じて増加してくるでしょう。
各工法協会は、こうしたニーズの高まりに応えるために必要な準備を進めなければなりません。具体的には、第一に様々な現場状況に適用できるようにするための継続した技術開発です。
残念ながら現状では、全ての現場において管路更生工法が適用できる訳ではなく、水量、水深、流速が工事実施の限界値を超えていれば、適用できません。適用範囲の拡大に向けて、これまで以上に条件が厳しい現場でも工事が可能となるように自動化や新工法の開発、さらには工事費の低減なども図っていく必要があります。
第二には、このようなニーズの高まりに対応するために必要な体制を整えることです。管路更生業界に限りませんが、現場の担い手が不足しているなど人材不足も深刻な問題となっています。人材の確保、育成、そしてその人材が定着するために魅力ある仕事、業界として認知されるよう、管路更生工法に携わる人々の社会的地位の向上を図ることが大切です。給与、福利厚生などの処遇アップも必要ですが、さらに、当協会としては、建設キャリアアップのレベル4に位置づけられる登録基幹技能者への管路更生工の適用について申請などを進める準備をしているほか、外国人実習生制度において管路更生現場での実習経験が認められるように、管路更生工への制度適用に向けて対応を進めています。
これまで少しずつ高まっていた管路更生工法のニーズが、ここにきて勢いを増しています。このことをチャンスと捉え、一つひとつ課題を解決していくことで当協会としての社会貢献を達成していきたいと考えています。
今年も会員のご協力のもと、「見えない管路に見える品質を!」を目指して、協会を挙げて取組んでまいりますので、引き続き関係者の皆さまの一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。
一般社団法人 日本管路更生工法品質確保協会
会長 渡辺 志津男


